七割打者のティーバッティング

文化系クズでホワイト職場のサラリーマンが直感のみで書く雑記。よくて精度70%。仕事風景、恋愛、都市、その他考察など

仕事を私物化して抱え込むわりに忙しいアピールする部下を更正させたい

ミドルマネージャー層に属する僕には、仕事を抱え込む部下がいる。多くのこまごました案件を抱え、いつも残業している。本人は丁寧にやりたいタイプなので、時間がかかりがちではあるが、割り当てられている担当業務からするとそこまで残業が必要かは疑問だ。僕は細かいところに時間をかけないタイプなので、自分がその担当なら残らないですむと思っていた。

ある夜、そんな彼が僕に愚痴ってきた。
いわく、僕はまいにち過酷な残業を余儀なくされているのに、あの後輩は帰るのが早すぎる、不公平だ。そう言われた子は、たしかにほぼ定時で帰る。しかしそれは楽をしているからではなく、とにかく仕事が早いのだ。
さらにいわく、あの先輩はいつも遅くまで残っていて立派だ。共感する。僕は心配になった。おっと、いまの時代に「残業イコール偉い」のタイプか、もしかして。
失望の色は一瞬たりとも表情に出さないよう努め、僕は遠回しに諭そうとした。その後輩の子は、割り振られた仕事はぜんぶ完璧に終わらせている。関係者と連携しながら要領よく処理しており、僕はむしろ評価している。僕の上もおなじ評価だ、と。
しかし彼は信じない。いやいや、係長が職場を壊さないように配慮しているのは十分わかりますけどね。僕はあのお気楽が許せないんですよ。
困ったな、もしかしてこやつ、自分の想像の範疇を超えて要領がいいのは、優遇されて楽をしているようにしか見えないのか?
仕方がない、他の人がやったら実はそんなパツンパツンになる仕事じゃない場合もありえると、直接示そう。

「今どれが重いの?今やってるそれ?」「はい、これがなければ全然違います。」「じゃあそれ、明日から俺がやる。」「え、そんな、とんでもない。やります。」「いや、仕事は個人の所有物じゃない。いずれ誰かの上司になるんだから、仕事を手放す練習もしておかないと。」
日ごろ、僕は余力が残っているので、係全体の面倒を見ながらこの仕事を乗っけても退勤時刻を変えないですむと思った。自分が重いと思っていた仕事を引き取った僕が、べつに何も変わらない様子を間近で見せたら、何か感じるかと思ったのだ。
「わかりました…正直、助かります。」

と言った10分後。「すみません、やっぱりやります。何か愛着が…」
なんやねん。

自分がしんどいことより、楽そうに見える同僚が問題なのか?自分の仕事は減らなくてもいいから、要領よく片付けてる同僚がしんどくなれば不満は解消されるのか?こういうタイプが上司になると、職場がブラック化するのではないか?近い将来が心配になった。

僕がいちばん言いたかった「仕事は個人の所有物じゃない」も伝わらなかった。仕事を私物化すると、手っ取り早く「頼れる人」にはなれる。自分で囲い込んで外から見えなくするので、周囲の人間は、その人に相談せざるをえない。しかし、それだけのことだ。能力を見込まれて相談されているわけじゃない。単に仕組み上の問題だ。そして、そのやり方も長くは続けられない。この姿勢で、いい気分で仕事ができるのは中堅のプレーヤー時代までである。いつか脱皮しなくてはいけない。
何より、仕事を私物化していると、細かい案件にいたるまで自分のところに集中するようになる。雑用に埋没してしまい、レベルの高い仕事は何もできなくなる。本当に潰れるかも知れない。いいことは何もない。
これも言ったが、本人がいくつかの部署を巡り、自分で火傷してみないことには理解できないものなのかも知れない。僕自身、自分の独断が招いた事象で処分までくらってようやく理解した話だ。諭す側に根気が必要であると思った。

このタイプは、その状態―自分が突出して忙しそうな状態を、どこか嬉しそうに愚痴る傾向がある。これは僕の経験上、自分を含めて共通して見られる。心理学的に何かあるのかも知れないが、直感主体をポリシーとする拙ブログでは、そこまで考察を深められないのが残念である。
いずれにしても、そのようにしてエース感を醸し出したところで、わーすごーいとはド新人を除いて誰も思わないのだ。そんなに言うなら振ればいいのに、が世論である。


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