七割打者のティーバッティング

文化系クズでホワイト職場のサラリーマンが直感のみで書く雑記。よくて精度70%。仕事風景、恋愛、都市、その他考察など

四国名物、松山高松どっちが都会論争。両方に長年住んだ男の見解

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地方には、それぞれ中心都市がある。北海道は札幌市、東北地方は仙台市、九州地方は福岡市、中国地方なら広島市だ。これらはいずれも政令指定都市で、人口100万人を超える大都市である。プロ野球チームの本拠地もある。

これらの地方および三大都市圏を除く地方で、今もくすぶっている議論がある。北陸地方の中心は何市?新潟県は何地方に入る?という問いも無視できないものがあるが、本記事で扱うのは、四国地方のナンバーワン都市はどこだ?という疑問である。

この問題は、高校のマイナー部活の県予選のように、いきなり準決勝から始まる。エントリーするのは四国の4県都、松山、高松、高知、徳島(人口順)である。しかし決勝の顔ぶれはいつも同じで、この決勝戦が古くから一部で論争のタネとなっている。御存知、「松山」「高松」の一騎うちだ。
1998年夏の甲子園準々決勝「横浜−PL」、名作漫画「ダイの大冒険」終盤で出てくる「真竜の闘い」を思わせる名勝負である。

僕は、松山にも高松にも十数年住んでおり、どちらにも愛着がある。両都市を現在のすがたまで含めて熟知しており、それでいて、どちらに肩入れするわけでもない立場からこの問題を取り扱いたい。

まず、人口は松山51万人、高松42万人と、松山の方が大きい。松山は50万都市を名乗れるが、高松は名乗れない。
両都市とも、それぞれの県で突出した存在感を発揮しているが、この点については、135万人の愛媛県における松山市に対し、96万人の香川県における高松市の方が、県内ではより圧倒的な存在である。(人口はすべて2018年11月時点の概数)

国の位置づけは、どちらも中核市であるが、四国ブロックを統括する国の機関はほぼ高松にある。高等裁判所も高松に置かれている。これは、瀬戸大橋の開通前、本州と四国を行き来する手段が連絡船しかなかった時代、高松が四国の玄関であった歴史的経緯による。
同じように、大手企業の四国支店も、多くは高松に置かれている。と言っても、支店経済都市としての高松は、明石海峡大橋の開通以後、あきらかに衰退した。関西エリアから直接管理したり、中国四国ブロックを一括りにするなどの見直しにより、高松から引き上げる企業も多い。
この項目は、高松の中枢性を裏付けるものと言える一方、国策でそれだけの差が生じても人口規模で勝る松山スゲーとも言え、この辺りから勝負はもつれ始める。

私見だが、一般市民にとってまちの印象を左右する重要なファクターは4つある。「見た目」「商業」「文化」「公園」だ。「交通」は旅行者には重要だが、地方都市で暮らす人にとって、クルマ以外の選択肢は弱いのが普通だから、ここでは検討項目に挙げていない。
ただ、挙げるのであれば10分間隔で市内線が走る伊予鉄を擁する松山が優る。高松は低公害車を活用してバス社会への転換を図り、中心部内の移送を充実させればよいと考える。

さて、まず「見た目」について検討すると、高松は、人間に例えたら雰囲気イケメンである。港町らしく街中が海辺に面し、そこに松山にない高さの高層ビルが数本生えている。また、大企業が多く集まるだけに、オフィス街は地方都市の中ではかなり風格がある。
松山は、そうしたクールさは感じさせない。城山を中心に据え、どちらかと言うと落ち着いた景観で、人間で言えば少しぽっちゃりしている感じだ。顔はよく見れば高松より整っている可能性はあるが。

2番目は「商業」だ。松山市内中心部には「三越」「高島屋」という老舗百貨店がある。高松は「三越」のみである。高松も、松山の高島屋と同じように地元私鉄の駅ビルに百貨店が入っていたが、岡山の天満屋が撤退して現在は百貨店でない商業ビルになっている。ここは松山の圧勝だ。

商店街はどうか。高松は総延長日本一を誇るアーケード街が縦横にのびている。夜の街「ライオン通り」もこれに含まれる。中心市街地再開発の成功例として全国に知られる「丸亀町商店街」を擁し、百貨店対決のビハインドを取り返す勢いだ。
丸亀町は400m程度のアーケードだが、四国のエース商店街といっていい。松山は、幅が広くて開放的な「大街道」、狭くて暗いが活気ある「銀天街」のデコボココンビでこれに対抗する。この2つを合わせると、直線距離では高松のメイン商店街と遜色ない。
そして松山には、銀天街に接続して四国唯一の地下街「まつちかタウン」がある。これは一部の松山市民にとって自慢であり、一部の高松市民にとって羨望の的である。実態は、ほぼ銀天街と松山市駅を結ぶ地下通路であるが、飲食店を中心に店もあるにはある。僕はずっとデリーを応援している。

商業は総合して互角と言えるが、個人的には、松山が「ジュンク堂書店」によってこの項目を制する。ジュンク堂は高松にもあるが、駅ビルの7階にひっそりと入っている。松山のジュンクはビル1棟だ。梅田の旭屋書店を思わせる。このビル、かつては紀伊国屋書店だった。書店ビルに入る高揚感は高松では味わえない。某書店の、なんか細い本店新館ビルはあるが。

そして、3番目は「文化」だ。文化といえば松山と連想するところだ。いくつかの著名な文学作品の舞台であり、俳句も盛んである。高松は「海辺のカフカ」でがっつり舞台になったものの、高松という名称以外、高松の面影が感じられず、地元が聖地化しようにもできない状況だ。
歴史、文学では遅れをとるが、ここ10年、高松は現代アートで猛追している感がある。高松市ではない「直島」の威を借っている感もなくはないが、瀬戸内国際芸術祭の定着などにより、文化の総合で言うとかなりビハインドは縮めている。今は松山に譲るとしても、近い将来はわからない。

最後、4番目は「公園」だ。これも、直感的には松山と言いたいところだ。中心部では城山、三の丸公園、道後公園と充実のラインアップである。一方、高松は、栗林公園、玉藻公園というそれなりに知られた公園を擁しているが、有料の観光地であり、憩いの場と呼ぶのはしっくり来ない。
しかし、高松のど真ん中には高松中央公園という使い勝手のよい公園がある。また、海に面したサンポート高松を公園的に活用する市民も多く、港町の魅力を醸成している。ここは総合で引き分けとしたい。


ということで、わずかに松山が制した項目が多いため、機械的に点数化するのであれば、紙一重で松山に軍配が上がることになるだろう。
しかし、実際は人によって評価ポイントが異なるため、この戦いは永久に終わらない。(終わってほしくもない。)

こう書いたが、さきほど高松の中心部で信号待ちをしていたとき、後ろにいた観光客が高松を評していわく「仙台に似ているな」と言ったので、この一言で行司軍配差し戻し。


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